マイク・リー監督『キャリア・ガールズ』

最近はお借りしたDVDの紹介記事をさきに読んで見るのを決めるようになった。昨日も今日も女性たちが元気で楽しく終りそうなのを選んだ。ハッピーエンドであってしかも考えさせられる内容というけっこう難しい選択なんである。

アニー(リンダ・ステッドマン)はロンドンに向かう列車に乗って学生時代を思い出している。ハンナ(カトリン・カートリッジ)との出会いはふたりとも貸間を探していてルームメイトになったから。アニーは喘息で頬にアレルギーのかぶれがあるが、パンクファッションでキメてタバコを吸っている。ハンナはしっかり者で美人だが愛想がない。もうひとりのクレア(ケイト・バイアーズ)は男の子好きでいつも化粧を欠かさない。アニーの専攻は心理学、ハンナとクレアは文学専攻。
3人は「嵐が丘」のページを開いてする占いで盛り上がり、クラブで踊り遊ぶ。
そういう暮らしでアニーとハンナは仲良くなったがクレアとは合わなくなり、ふたりで住むようになる。

ロンドンの駅にはハンナが待っていた。6年ぶりの再会、ふたりとも30代のキャリア・ガールである。アニーは田舎の会社で働き、ハンナはロンドンの会社で働いている。
ハンナは転居したいが、今度は家を買うとテムズ河畔のマンションを見に行く。プレイボーイまがいの男につきまとわれ、反対にやっつけて笑いながら立ち去るふたり。
不動産屋では学生時代につきあいがあった男に会う。そしたら今度はジョギングしているクレアと会う。アニーは帰る支度をしたが昔の下宿を見てからにするといい出す。建物だけは残っており、なぜかそこに昔の仲間のリッキーが階段に座っていた。
過去の3人と出会った旅であった。ハンナはアニーに「嵐が丘」をプレゼント、再会を約束してホームで別れる。

アニーは若いときはパンクファッションだったが、いまはベージュの服を着た地味なインテリ女性、ハンナはロンドンの一流キャリア・ガールらしいファッション。芯の強いアニーと常に闘う姿勢のハンナ。ハンナの仕草に惚れ惚れした。いつも「なにを!」という気持ちで男性に向きあっているところがカッコいい。
「コールド マウンテン」で「嵐が丘」が出てきたが、ここでもまた「嵐が丘」が重要な役割だ。1996年製作。