デヴィッド・ヒューソン『キリング 3 逆転』

デンマーク警察の女性警部補サラ・ルンドは、婚約者のベングトと前夫との息子マークと3人で暮らすためにスウェーデンへ引っ越すことにしていた。退職の日に19歳のナナの惨殺死体が見つかり、退職を延期して捜査にあたるように上司から要請される。
捜査は二転三転して容疑者が浮かび上がるが確証にはいたらない。サラはしっかりと捜査にはまり込んでしまい、後任として赴任してきたマイヤと次々と起こる事柄を追って行く。やがて上司からもういいからスウェーデンに行けといわれるようになるが、手を抜かない。サラとマイヤはだんだん息が合っていく。
あまりの遅延にスウェーデンからはサラとマークの荷物が送り返されてきて、母親のアパートの地下室に置かれている。
「2」ではデンマークへ来たベングトが交通事故にあい入院していて、今回「3」では腕を包帯で吊った姿で出てくる。ベングトは犯罪心理学の専門家でその立場からサラに助言する。それだけでなくプロファイリングして自分勝手に動いてサラが激怒する。
次期市長を狙うハートマンは妻の死後ネットに偽名登録して遊んだことがあり容疑者と見なされる。サラたちの捜査によってハートマンを攻撃している市長の周辺もきな臭くなる。
ナナの両親の哀しみと怒りの姿がせつない。ナナは親が思いもよらない大人の世界を知っていた。

いやー、おもしろい。送ってもらってすぐに読み出して、おとといと昨日で読んでしまった。すっ飛ばして読んだので、もう一度読んでいる。早く来い「キリング 4」の出る4月。
(山本やよい訳 ハヤカワ文庫 940円+税)