スティーヴン・ウーリー監督『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』

監督のスティーヴン・ウーリーはニール・ジョーダンのたくさんの映画のプロデュースをしてきたが、ずっとブライアン・ジョーンズを主題にした映画を撮りたいと思っていた。彼の最初の監督作品が「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」(2005)である。
60年代の音楽、麻薬、酒、セックス、そしてブライアンと恋人と。無慈悲なブライアンに翻弄される建築家が悲しい。

ブライアン・ジョーンズはローリングストーンズをつくり最初はリーダーだった。わたしはローリングストーンズは好きだけど熱中したわけではない。そしてブライアンが好きといえるほど聞いているわけでもない。

わたしが関心をもっているのはブライアンが住んでいた家である。この映画を見ていると実際にこの家に住んでいたのかと思ったほど、それらしい家なのであった。それで検索してようやく映画の家は他の場所で撮ったものとわかった。
「サセックス州ハートフィールドのコッチフォードファーム」を1925年に購入したのは「くまのプーさん」を書いたA・A・ミルン。56年に亡くなるまでミルンはここに住んでいたが、その後、息子により売却された。68年11月にブライアンが移ってきて69年7月、27歳でこの家のプールで死亡。住んだ期間が短過ぎる。
ブライアンは「くまのプーさん」が大好きでこの家を買ったそうだ。

わたしはプーさんより「赤い館の秘密」(1921)が好き。生まれてはじめて読んだ5冊のミステリーの1冊だから。いま調べたら「くまのプーさん」(1926)より前に書いている。
ブライアン・ジョーンズの映画を見て、ブライアンとともにA・A・ミルンを偲んだ。