ウォーター・ヒル監督『クロスロード』

ロバート・ジョンソンの名前はマンガで知っていた。クロスロードで悪魔と取引した話だった。わが家はブルースがよく聞こえてCDもなにやらあるんだけど、わたしは聞こうと思って聞くことってない。好みって一人が熱中すると片方は醒めるのかも。

ジュリアード音楽院でクラシックギターを学んでいる白人青年ユージン(ラルフ・マッチオ)はブルースに心酔していて、教師の前でもモーツアルトを弾いていて最後はブルースになってしまう。
近くの老人ホームにジョンソンの友人だったウィリー(ジョー・セネカ)がいるのを知り、ホームの掃除夫になって話しかける。お互いに信じ合うのでなく両方とも魂胆があって行動を共にすることになる。いままで管理者の目を欺くために車椅子に座っていたウィリーが立ち上がって歩きだす。ふたりは早朝ホームを逃げ出し追っ手をまいて一路南部へ。
ユージンのお金がなくなり、ウィリーが持っていた40ドルでヒッチハイクの旅を続ける。女の子と知り合って別れ、保安官に捕まって村から追放され、ようやくクロスロードへ。ギター対決でスティーヴ・ヴァイを相手に弾きまくる。

ウィリー役のジョー・セネカのハーモニカと歌がすばらしい。
帰りはシカゴまで飛行機で行こう、そこで別れようと提案するウィリーがカッコいい。人生を知り尽くしている。1986年のアメリカ映画。音楽映画であり青春映画である。