藤純子主演 鈴木則文監督『緋牡丹博徒 一宿一飯』(1968)

今夜も夕食後はお竜さん。
緋牡丹博徒シリーズ第2弾は戦うお竜さんと鶴田浩二が出会って権力とつながる卑怯な奴と徹底的に戦う。前作では高倉健がやっていた役を鶴田浩二がやっている。

熊本の矢野一家再興のために各地を回って修行を重ねる「緋牡丹のお竜」こと矢野竜子は上州富岡の戸ケ崎一家に身を寄せている。
富岡では高利貸が生糸農家を締め付け農民は困窮の極みで、戸ケ崎はなんとか調停しようとしているが、舎弟の笠松が上州一帯の利権を得ようと裏で暗躍していた。戸ケ崎は騒ぎが起こるのを察してお竜を上州から去らす。
東京に出たお竜は笠松が上州の利権を確実にするために東京で上層部への接近を図っているのを知り阻止しようとする。
お竜が居ぬ間に戸ケ崎は笠松一家に襲撃される。それを知ったお竜は・・・
笠松の腕の立つ子分に菅原文太がなっていやな奴モードいっぱいで、それはそれでかっこいい。
鶴田浩二はもともとこの地の出身で貧しい家を嫌って家を出た。その後、両親は貧しさの中で死んだ。お竜との間はお互いに口に出さないけど愛と信頼で結ばれる。
お竜を阻もうとする賭博師の女にも戸ケ崎一家を守ろうとする娘にも、お竜は優しい。身を汚されたと泣く娘に、自分の背中の刺青を見せる。「女だてらに、こぎゃんもんば背負って生きとっとよ」