藤純子主演 加藤泰監督『緋牡丹博徒 花札勝負』(1969)

午後つるかめ整体院に行ったら肩がいつもにも増して凝ってると言われ、それは緋牡丹のお竜さんのせいだと言い訳した(笑)。もちろん映画だけ見ていたわけでないけど、すごく真剣に見ているから肩が凝りもする。

名古屋に着いたお竜は間違って列車の線路に入っていく盲目の少女(お君)を間一髪で助け、後からやってきた母親に礼を言われる。
名古屋で最も旧い家柄の西之丸一家でわらじを脱ぐが、胸のすくような初対面の仁義を切るシーンがすばらしい。親分(嵐寛寿郎)は統率力のある人格者。四年に一度の熱田神宮の祭りがあり勧進賭博を仕切るのが西之丸一家である。親分に贋のお竜が賭場に出没していると聞かされ、お竜は新興の金原一家の賭場へ出向く。そこで出会ったのがお君の母だった。
金原のところで奇食している花岡(高倉健)と雨が降る道で出会い傘を貸す。お竜が持っていた傘の柄の暖かさが忘れられない花岡とはそれから何度かすれちがう。一宿一飯の恩義ということで花岡は西之丸一家の親分を襲うことになるが急所を外す。勧進賭博を開くことができたが、傷口が悪化して親分は亡くなる。
西之丸一家の通夜の中をそっと出かけたのはお竜と富士松だった。乱闘中に花岡が加わる。この結末は自分に任せてくれと花岡は言う。
花岡がお君を病院に連れて行き手術でお君は目が見えるようになっていた。

若山富三郎の愛嬌、清川虹子の太っ腹、待田京介(不死身の富士松)がお竜を「おじき」と呼ぶのが楽しい。ちょっとだけど藤山寛美が笑わせてくれた。