中原昌也 自伝『死んでも 何も残さない』に付箋を貼った

引用(130ページ)
【 貧乏な都会っ子は不幸だ。共感は得られないし、生まれ変わることもできない。世界中のモノや情報が腐るほど視界に入ってきても、結局、手に入れることができない境遇。寂しくて、みんなが好きでないマイナーなものに想いを寄せるしかなかった。田舎にいたら、マンガやヤンキーに行ったのかもしれないけれど、バブルの頃の東京には何もかもがある不幸があった。】

付箋を貼っておいたのに昨日は見逃していた。
いい言葉というより、わたしのことを語ってくれている言葉だと思った。うまいこというなあ。わたしは彼よりもずっと年長だけど、生まれも育ちも不幸な貧乏な都会っ子である。そして、そういうことをいう年齢を過ぎても言える貧乏という特権を手放していない。
死んでも、なにも残っちゃいないよ。