ジュリアン・シュナーベル監督『夜になる前に』(1)

「バスキア」の監督がキューバの作家レイナルド・アレナスの生涯を描いた映画(2000年の作品)だと相方が借りてきたDVDをいっしょに見た。タイトルがいいと思ったら主人公が書いた小説のタイトルなのであった。
レイナルド・アレナスという作家の名前もはじめて知った。アレナスは1973年にキューバの貧しい家に生まれたが、文章を書く才能があるのを教師が見いだす。
映画紹介サイトの〈解説〉によると、アレナスは14歳でカストロ率いる暴動に参加、62年までハバナ大学に通い、同時に同性愛に目覚めた。1980年にアメリカへ亡命。1987年にエイズであることがわかり、1990年に睡眠薬を多量に摂取して自殺した。

レイナルド・アレナス(ハビエル・バルデム)の貧しい子ども時代からはじまるが、成長するにつれいい男になる。友人やとりまきの美しい青年たちが出てきて美しい海で戯れたりの文学青年時代。友人が華麗なオープンカーでやってくる。ええ車やなあと歓声をあげると「エロール・フリンが乗ってた」と答えが。エロール・フリンっていい男や華麗な車の表現に使う普通名詞なのか。

彼の作品を認めてくれた文学者は国立図書館で働くようにいい、プルーストやカフカなどの必読本を貸してくれる。そして革命政府にとっては文学者はいずれ敵になるだろうと話す。その言葉どおりに弾圧がはじまり、文学と同時にホモセクシュアルであることで逮捕される。その寸前に偶然知り合ったフランス人夫妻に原稿を渡したのが、フランスで出版されてフランスにおける外国文学賞を受賞する。
脱獄しまた逮捕され刑務所で服役。ひどい刑務所だったが作家ということが知られて、服役者の手紙の代筆をする。手紙や原稿を外へ出すにあたっての手段がすごい。ジョニー・デップが熱演している。
独房やものすごい屈辱を受けた後にようやく出所。その後の生活で生涯の友となるラサロと知り合う。
カストロ政権による革命政府に不用な人間はいらないという政策により、ホモセクシュアルとして登録しアメリカへ亡命する。

原作を読まなくちゃ。