ケン・ローチ監督『やさしくキスをして』

ケン・ローチ監督の映画「やさしくキスをして」は題名ではわからない硬派な映画だった。(製作国イギリス/ベルギー/ドイツ/イタリア/スペイン)
スコットランドのグラスゴーにに住むパキスタン人一家の長男カシム(アッタ・ヤクブ)は妹の通うカソリック高校の音楽教師ロシーン(エヴァ・バーシッスル)と出会う。ロシーンは夫と別居中の進歩的な教師。
DJもするカシムはロシーンに積極的にアタックしてクラブに誘う。「仕事は何時から?」「9時から」「7時までに帰れるよ」てな具合。意気投合して彼女のアパートに行くが、つい家族のことを考えてしまう。
ロシーンがスペイン旅行に誘って楽しく遊ぶが、カシムは家のことや両親のことを考えて鬱々としている。
ロシーンは本雇いではないが上司は仕事ぶりを認めて正規の教師に推薦してくれる。でもそれにはカソリックの教区のえらいさんのサインが必要で、教区長はイスラム教徒の恋人がいるロシーンをなじる。上司はかばうが教育委員会の許可が得られず、宗教自由の学校に行かされることになる。
カシムは親の決めた婚約者がおり、親は庭に新しく彼らが住む家を建てている。カシムはロシーンにパキスタン人の悲劇を語りイギリスへ来ることを選んだ親たちの苦労を語る。ここでふたりは別れるのかと思ったが・・・
ケン・ローチの映画は恥ずかしながらはじめて見た。すごい監督だということがわかった。