昨日は9月9日、重陽の節句(菊の節句)だったなといまごろ思い出した。旧暦でいくとまだ先のことだが。ええと、いま調べたら10月9日(日曜)だからまだまだ先だ。10月なら菊の節句という感じがしてぴったりだ。
70年代に毎日のように通ったジャズ喫茶マントヒヒのマスターが青森県八戸出身で、田舎に帰るといろんなお土産を持ってきてくれた。地酒、近所の山で採ったキノコや木の実いろいろ、馬肉、ほや(貝)を瓶に入れてといろいろあったが、秋になると乾燥した菊の花があった。荒っぽいもの優しいものを大阪者にあじあわせてくれようという気持ちがありがたかった。列車で戻るとその足で届けてくれたので、その夜は宴会になったっけ。彼は数年前に亡くなったが、重陽の節句で思い出した。
乾燥菊はお刺身についているような小さい黄色い菊の花を集めてちょうど海苔くらいの大きさに仕上げてあった。どうやって食べたんだか調べたら、さっと茹でて和え物、おひたし、酢の物、天ぷら、吸い物にとあった。上品な秋の味だったなあ。さかずきに浮かべて月見をしながら飲んだら風流だろう。