マキノ雅弘監督『昭和残侠伝 唐獅子仁義』

「昭和残侠伝」シリーズの5作目。ここまでの中でこれ1作抜けていたので、これで7作見た。あと2作「昭和残侠伝 吼えろ唐獅子」「昭和残侠伝 破れ傘」が 残っているが、紹介記事を読むと見なくてもいいような。やっぱりみんな見るか悩む。

最初のシーンで花田秀次郎(高倉健)と風間重吉(池部良)は斬りあって重吉は左手をなくす。次は仙台刑務所になって服役する秀次郎のもとへ舎弟が面会に来て、浅草を立ち退き名古屋の親分のところで世話になっているという。
5年経って秀次郎は刑務所から帰郷する汽車で林田親分と出会う。親分は採石場の親方の後ろ盾をしていて、利権を得ようとする樺島一家に狙われている。着くなり二人組に襲われやっつけたものの手首に傷を受けた秀次郎は藤純子扮する芸者に助けられる。それを見ていたのが町田京介(役名を忘れた)。金次第でどっちにもつくやつで密告する。芸者の家の裏口から出た秀次郎は林田親分の子分の家で居候になるが、この家が襲われて子分は死ぬ。

芸者は重吉の妻でもとは東京の一流どころにいたが、流れ流れてふたりしてこの地に住み着いたのだった。秀次郎に惹かれていく妻を見る重吉のやるせないまなざし。この映画の池部良はシリーズでいちばん暗い。他ではわりとエエカッコな役柄だったが、ここでは芸者の女房からお金をせしめて飲んだり賭けたり、それがなんだかすごく似合っていて、わたしだってこんなオトコなら借金してもお金を渡しそう。それに比べて清潔な秀次郎は一途な女の愛をかわす。
そして最後は例のごとくの斬り込み。町田京介がこっちにつきますとピストルで援護する。背中を斬られてもこいつは俺が殺るんだとふらふらになって闘う。最後は警官が多数到着し、秀次郎がよろけながら、重吉は町田京介におぶわれて建物から出てきたところで「終」。