サラ・パレツキー『ウィンター・ビート 』(3)

先日、飲食店を経営しているヴィクファンの友人に会ったときに「ウィンター・ビート 」を読んだかと聞いたら「よかった〜 めっちゃおもろかった」の次に、「もうっ、ええかげんにヴィクに迷惑をかけんようにしてほしいわ、こっちまでいらいらしたわ」と続けて言った。従姉妹のペトラのことだ。その言動で読者までいらいらさせて、最後には探偵仕事には向いてないと辞めてしまう。最後のセリフがきまっている。
【「・・・ヴィクがすっごくタフでクールなのを見て、あ、悪くとらないでほしいんだけど、あたしがヴィクの年になったとき、そんなふうになりたくないって思ったの。つまりね、ヴィクは一人で暮らしてて、とっても強くて、暴力なんかへっちゃらって感じでしょ」】
困難な時代にタフに働く彼女がいらいらするのはもっともだ。

ペトラもそうだがもう一人いた。フィンチレー刑事の部下のリズ・ミルコヴァ刑事。ヴィクが担当のフィンチレー刑事に直接話したいというと、【「わたしは女だし、下っ端刑事かもしれません。でも供述をとる方法は知ってます」/わたしは自分の目が怒りでぎらつくのを感じた。「わたしはね、あなたたちのためにドアをひらこうとがんばった昔気質のフェミニストの一人なのよ。ミルコヴァ巡査。だから、わたしの前で高慢ちきな態度はとらないで。・・・】背後で拍手、フィンチレーが【ウォーショースキー、おれが百歳まで生きたとしても、たったいま味わった以上の満足を得ることはけっしてないだろう。誰かがきみの得意のセリフを皿にのせて、きみに差し出したんだからな」】
わたしもここまであからさまではないけど、日常的にこういうことはあって、怒ったり苦笑いしたりする。わたしの場合は教えてくれようとする人が多いかな。