ディケンズ『クリスマス・キャロル』再会と亡霊

中沢新一さんがディケンズのことを書いているのをツイッターで知って、その論文「ディケンズの亡霊」が入っている「純粋な自然の贈与」を買って読んだ。ディケンズの本はわりとたくさんおもしろく読んでいるので、どんなことを書いておられるのか気になって。

最初にロシアのピアニストヴァレリー・アファナシエフの『モーツァルト 幻想曲/ソナタハ短調』のことが書いてある。検索すると90年代の中頃に中沢さんが絶賛して話題となったらしい。わたしは全然知らなかった。「チベットのモーツァルト」をわたし読んでなかったわ。遅くなったけど追いかけねば・・・。
中沢さんはここにモーツアルトの幻想曲から亡霊が出現すると書いている。亡霊や霊は好きというかおもしろがるだけのわたしにはショックなお言葉。それからシューマンのことになって続いてヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」についての話になる。
ヘンリー・ジェイムズは生者の世界の間近まで死者の霊が忍び寄ってくるクリスマスの晩を舞台にして物語を描いた。【亡霊たちの横行するこの冬の夜には、喜びもまた人の世に出現する。】と中沢さんは「クリスマス・キャロル」について語り出す。
そしたらわたしは「クリスマス・キャロル」を大人になってから読んでなかった〜
買いに行こうかと思ったがきっとあるはずと青空文庫を開いたらあったので、いま読んだところ。おもしろかった〜
(中沢新一「純粋な自然の贈与」 講談社学術文庫 960円+税)