カレン・キエフスキー『キャット・ウォーク』

女性探偵ものをT氏に貸していただいた3冊目。1989年発表で1996年に翻訳発行されたもの。わたしはまるで知らなかったが、「カタパルト」(1997)、「浮遊死体」(1998)、「焦がれる女」(1998)、「デッド・エンド」(1998)と「キャット・コロラド事件簿シリーズ」として続けて福武文庫から出ている。(※カッコ内は日本での出版年)
訳者あとがきによると、キャット・コロラドはサクラメントの私立探偵で、サクラメントはカリフォルニア州のほぼ中央、「東京から見た浦和みたいなところ」だそうである。

親友チャリティが夫サムと離婚するつもりだが、サムは20万ドルをギャンブルですってしまったという。調べてほしいと頼まれたキャットは友だちの仕事はしたくないのにと思いながら腰を上げる。ラスベガスへ飛んだ彼女は幼なじみのデックに偶然出会う。デックはどうも危ない仕事をしているらしい。
ホテルのトイレで女性の死体と出くわすが、調べると女性はサムとつきあっていた。キャットはサムに会いにいく。その後、サムが建築現場で落下し死亡する。
新聞記者のジョーと知りあい意気投合し食事によばれて妻のベティと知りあう。そこには刑事のハンクがいた。ハンクは自分が乗る車に妻が乗って殺されてから独り身を通しているが、ようやくキャットを見て新しい人生を生きようと思う。

キャット「あたしは5マイル走れるし、2マイル泳げるし、玉突き台を自分で動かすし、荒っぽい言葉もしゃべれば、ワイルド・ターキーもあおるし、激辛メキシコ料理だって食べるわよ」
ハンク「いいね、まさにぼくの理想のタイプだ」
(柿沼瑛子訳 福武文庫 800円)