うまいコーヒーとダルジールシリーズ『ベウラの頂』

おとといアマゾンに注文したコーヒードリップポットが早くも今朝届いた。よく洗って何度もお湯を沸かしてから乾かし、さっきはじめてコーヒーを淹れた。精神的にもうまいコーヒー(笑)。
このコーヒーを飲みながら読むのに合った本を見つけた。レジナルド・ヒル「ベウラの頂」。P・D・ジェイムズもいいが最近まとめて読み終わったところだから、それ以前に熱中したヒルにした。ジェイムズと同じように全作品をそれぞれ好きだが、いちばん好きなのはこれだと思う。いやいや「武器と女たち」だとも思うが、いま読みたいのは「ベウラの頂」だ。シリーズ外だけど「異人館」も読みたいが、いまは「亡き子を偲ぶ歌」を歌うところを。

〈第4日 亡き子を偲ぶ歌〉の章の最初にマーラーの歌曲の全訳が載っている。ソプラノ歌手エリザベス・ウルフスタン本人が訳したもの。歌っているCDのケースのイラストもあって、これが事件に関わってくる。ドイツ歌曲はふつうドイツ語で歌われるが、エリザベスは歌詞を重視してイギリス人に理解してもらおうと英語で歌うことにした。
夏季音楽祭の朝、ウルフスタン家の主人は朝早く出かけ、エリザベスが起きたときはピアニストのインガーがいた。二人の会話、それから義母のクローイとの会話、いっしょに舞台に出るアーナとの会話があり、エリザベス以外はプログラムを変えたほうがいいと意見だ。しかし、エリザベスは「亡き子を偲ぶ歌」にこだわる。
そして夕方、コンサートがはじまる。
(秋津知子訳 ハヤカワポケットミステリ 1800円+税)