日本人のブルース

月に一度のSUBの西山 満 QUARTET[西山 満(cell) 歳森 彰(P) 財 盛紘(B) 弦牧 潔(D) ] 。毎月一度の演奏を欠かさずに行って31回目だ。聴くたびにアンサンブルがよくなる。特に今夜は西山さんが最後にやったブルースを、メンバー全員よくやったと褒めた。客たちも一体になって楽しんだ。
わたしは聴きながら日本人と日本の音楽について考えていた。てれくさいので〈(笑)〉と入れたいところ(笑)。

この1週間に3本の日本映画を見た。「仁義なき戦い」(戦後のヤクザ)、「昭和残侠伝」(設定は戦後だがイメージは昭和初期のヤクザ)、「嵐が丘」(中世のはぐれもの)と時代が違って表現が違うが、なにか共通のものがあるとジャズを聴きながら思った。特に「嵐が丘」はイギリスの女性作家によるヨークシャーの荒野の物語を日本に置き換えたものだが、日本を描くのに、その物語を借りてきたものだ。

今夜の演奏は、アメリカのジャズというものに対して、これが日本のジャズです、と言っているようなちゃらちゃらしたものではない。真剣な日本のジャズなんだと思った。4人の奏者が真剣に生きていること、真剣に音楽をやっていること、から発生した音がほんとの日本のブルースの演奏になったと思う。