シャンナ・スウェンドソン「おせっかいなゴッドマザー 」

「(株)魔法製作所」シリーズの3・4・5巻の3冊をSさんに貸していただいた。全部読み終わったらわたしが2册買ったのと併せて持っていてもらうことになっている。
3冊目までくるとちょっと慣れすぎてきた感じがする。主人公ケイティは相変わらず、なんというか純情可憐で、2冊目で恋人に確定したかのオトコマエのオーウェンは仕事に没頭している。魔法界も正邪があって、もちろんオーウェンは正しいほうで、悪と戦う戦士である。
ケイティは仕事しつつオーウェンが気になる。そこへヘンな魔法使いばあさんが現れてあんたのゴッドマザーだと世話を焼く。

クリスマス休暇を養父母のところで過ごすオーウェンに誘われてケイティはいっしょに行く。ヴィクトリア様式の屋敷で厳格に育ったオーウェンだが、今回は厳しい母親も軟化した感じである。このあたりは少女小説のノリ、やおい小説のノリだな。田舎育ちで自分に魅力はないと思っている主人公と、その主人公を愛おしく思っているオトコマエでお金持ちの男性。
お約束事を下敷きに、華やかな魔法合戦があって、ふたりは結ばれると思いきや、ケイティはわたしがいたらオーウェンは悪者相手に実力を発揮できないと身を引きテキサスへ帰る。
(今泉敦子訳 創元推理文庫 1080円+税)