ダイアン・デヴィッドソン『クッキング・ママのダイエット』

「ゴルディ・シュルツ・ケイタリング」を経営するゴルディを主人公としたシリーズ(日本語翻訳では「クッキング・ママ」シリーズ)の15冊目で2010年10月発行。Sさんに貸していただいた。今回もいらいらしながら読んで、読み終わってほっとした。

息子のアーチは大きくなって友だちが泊まりにきたり、また友だちのところへ行ったりと頼もしい少年になっている。刑事である夫のトムとはとても仲良く暮らしている。
ゴルディのゴッドファーザーである弁護士のジャックがすぐ近くに引っ越してきて仲良く暮らしていきた。ジャックはゴルディの最初の結婚での苦労を知ると、離婚してケータリング業をはじめるようにと大金を送ってくれたことがある。元の夫にDVで苦しめられたが、ゴルディが別れてから元夫の妻となりすぐに別れたマーラはずっと親友である。今回も重要な役わり。

ゴルディは結婚式のケータリングを頼まれるが、花嫁のビリーがわがまま放題に育った金持ち娘で、すぐに気分が変わる。献立の変更はあるわ、直前に人数を増やすわ、場所の変更はあるわで、最後に〈ダイエット道場〉のスパに決定。ゴルディのいらいらはつのるばかり。

医師のドク・フィンが謎の死をとげる。彼は死ぬ前にスパを調査していた。ビリーの結婚相手は医師のクレイグで金持ち娘のビリーに引っぱりまわされている。
その間に結婚式の料理をどうするかの話がある。ジュリアンを助手に頼んで手順も確認する。大型冷凍庫と広いウォーキング(?)冷蔵庫にいろいろ入っていて、なんでもできてしまう。仕事で料理するからといって普段の料理を手抜きということにはならない。夫のトムの料理の腕前もたいしたもの。

料理とドク・フィンの死因と、いやらしいスパの経営者との確執と、読者にゴルディのいらいらがうつってきたところへ、ジャックの死が。遺された証拠品からゴルディは謎を解こうとし、危険な目に遭う。
今回はレシピが多い。わたしに作れそうなものはあるかしら。
(加藤洋子訳 集英社文庫 819円+税)