ミステリマガジン4月号はジョー・ゴアズ追悼特集

明日25日は5月号の発売日なので書いておこう。ツイッターで売り切れ書店続出というツイートを読んで、慌ててジュンク堂へ行ったのは3月のはじめごろだったか。特集がふたつあって、わたしの読みたいのはジョー・ゴアズ追悼特集なんだけど、売りは「高橋葉介の夢幻世界」なのだ。たった1冊しかなかったのには驚いた。だからツイッターにもわざわざ「ジョー・ゴアズ追悼特集」だから買ったと念押し(?)ツイートしといた(笑)。

特集にはゴアズの短編小説がひとつと、追悼エッセイがふたつある。木村二郎さんの「ハメットを追いかけた男」と小鷹信光氏の「ビッグ・ジョーの思い出のひとかけら」。ゴアズという素晴らしい作家を亡くしたさびしい思いが伝わってくる。
わたしはゴアズのファンで作品はわりと読んでいるほうだと思う。机のそばに「スペード&アーチャー探偵事務所」を置いてあってときどき読む。「ダン・カーニー探偵事務所」ものも大好きだ。ここに出てくる女性たち、キャシー・オノダやジゼル・マークがとてもいいのだ。このシリーズは出版社が違ったりしているがずっと読んできた。

ここに紹介されている短編「黄金のティキ像」(木村二郎訳)は、都会派とゴアズを思っていたから驚いた。フランス領タヒチ島パペエテ港でフェロは「きょうの冒険の問題は、冒険がないことだ」と言う。背が高くて胸板の厚い純血タヒチ人のマチュアがにやっと笑って答えかけたのをさえぎって、大男が声をかけた。船を貸し切りにし黄金のテイキ像を海中で探す仕事を大金を払うからと持ちかけられて、二人は応じる。思いがけない場所の設定だが、ゴアズらしい骨太の作品。〈冒険児フェロシリーズ〉だって。
(ミステリマガジン2011年4月号 800円+税)