「ミステリーズ!」12月号に木村二郎さんの私立探偵小説『永遠の恋人』

木村二郎さんからいただいた「ジロリンタン通信」にジョー・ヴェニスもの新作が東京創元社から出ている雑誌「ミステリーズ!」12月号に掲載されているとあった。
私立探偵ジョー・ヴェニスが主人公の単行本「ヴェニスを見て死ね」が出たのは1994年、日本人がニューヨーク在住のアメリカ人を主人公にして書いたユニークなミステリだった。その増補文庫版が創元推理文庫から2011年半ばに再刊される予定とのこと(単行本版の7編にその後の2編を加えたもの)である。
来年半ばには読めるとしてもいま読みたい。木村さんは書店で見つかりにくいとおっしゃっていたが、他の本を買うついでもあったのでジュンク堂へ買いに行った。たしかに雑誌のところにはなかったが、〈エンタテイメント-ミステリ評論〉というレジのすぐ後ろの棚に数冊あるのを見つけた。「永遠の恋人」は74ページにあった。

おれ(ジョー・ヴェニス)のところにハスキーな声の女性が訪ねてきてハガキを何枚か見せ、差出人を見つけてほしいと依頼する。差出人は〈あなたの永遠の恋人〉と名乗っている。おれは彼女を尾行するものはいないか調べ、勤務先の上司や同僚に話を聞く。そうこうするうちに殺人事件が・・・

翻訳小説を読んでいるような錯覚に陥るが、ちょっと違うと感じるところがある。街の名前とかていねいで、わたしがニューヨークに行ったとして、ここかしら、この通りかしらと確認しながら歩けそうと思った。久しぶりにニューヨークが舞台のミステリを読めてよかった。
(「ミステリーズ!」12月号 東京創元社 税込1260円)