鎌田東二さんへの興味は雑誌『現代思想』からはじまった

はじめて宗教学者鎌田東二さんの名前を知ったのは今年になってから。雑誌『現代思想』2017年2月号(総特集*神道を考える)の、安藤礼二氏との対談を読み写真を見てからだ。
いままで神道は遠かった。折口信夫文学のファンであり、単に神社仏閣や仏像などを見るために奈良や京都によく出かけていたが、信仰は持っていなかった。静かな佇まいの境内や裏山が好きなだけと思い込んでいた。ずっと昔だが大本教の教会を見に綾部まで行ったことがある。門が開いていたので境内にそっと入って静けさに耳を傾けていた。梅が咲いていて、ずっと向こうの玄関に人がいたが咎められることもなくそっと帰ってきた。

『現代思想』を開いたら鎌田東二×安藤礼二の対談のタイトルが「隠された神々の世界を求めて 折口信夫と出口王仁三郎から」だったから驚いた。写真の印象だけど「学者」って感じの安藤さんとやんちゃな感じの鎌田さんの対談で、神道とはなにかをちょっとだけ分かったような気になった。文学者の折口しか知らなかったので、この対談を読んでから偉くなったような気がしている(笑)。

『現代思想』に入り口を示してもらった感じで、読み終わってもないのに鎌田さんについて知りたく2冊の本を買った。
『神界のフィールドワーク 霊学と民俗学の生成』(創林社)と『呪殺・魔境論』(集英社)。
雑誌→『神界のフィールドワーク』→『呪殺・魔境論』と続けるのが順番だと思うが、3冊目のタイトルが気に入った友人に感想を聞かせてといわれているので、先にちょこちょこと読んでいる。

「呪殺・魔境論」ってすごい怖いタイトル。2004年発行ということで、ああ、麻原影晃、酒鬼薔薇聖斗かと思い浮かぶ。帯にも〈麻原影晃、酒鬼薔薇聖斗が向き合った「魔境」とは何だったか〉とある。全部読んでないけどおもしろいです。おもしろいというようなことでないけど。中古本で出てるので気になったら買って読んでほしい。