春の愁ひ

暖かくなった。肉体的には足がだるく目がかすんだりなんとなくしんどい。したがって気持ちもだるくて重い。これがわたしの春の愁いやなと思ったら大伴家持の歌が浮かび上がってきた。
家持の絶唱三首と言われている短歌
春の野に 霞たなびき うら悲し この夕影に うぐひす鳴くも
わが宿の いささ群竹 吹く風の 音のかそけき この夕かも
うらうらに 照れる春日に ひばり上がり 心悲しも ひとりし思へば

からだが元気で心だけ愁ひているのならええけど、からだも心も愁ひ状態なのでつまらない。「愁ひ」の先人がいることに慰められて、風呂入って寝よ。