第19回大阪翻訳ミステリー読書会

日時:7月14日(金)18:45〜
場所:大阪駅前第二ビル
課題書:『拾った女』チャールズ・ウィルフォード著/浜野アキオ訳/扶桑社文庫

早めに出てシャーロック・ホームズで夕食を食べて、店主や客と雑談して隣のビルにある会場へ時間通りにいった。
最初に課題書を知ったときは、なんで1955年に書かれた本をいま取り上げるのかわからなくて、主催の影山みほさんはどういう基準で選んだんだろうと不思議だった。表紙のデザインはいいけどと言いながら読む気が起こらず日が経っていき、ぎりぎりに本を開いたら、なんと!著者のチャールズ・ウィルフォードは昔愛読していた『マイアミ・ポリス』のシリーズ3作を書いた人だった。

小柄でブロンドの美しい女ヘレンがハリーが働くカフェに一文無しで入ってきて、ハンドバッグをなくしたという。ハリーはヘレンに酒をおごり、連れ出してホテルに泊まるように世話する。翌日お金を返しにきたヘレンと過ごすために仕事をやめて夜の街へ出ていく。二人はそれから一緒に暮らし始める。ハリーは画家として立つように教育を受けていたがいまはその未来を捨て去っている。ヘレンはハリーに肖像画を描いてくれるように頼む。たまたま200ドルの金が入ったのでハリーは酒代以外に絵の道具を買い整え創作を始める。
だが、酒なくしては生きていられないヘレンとハリーの思いは「死」へと向かう。
そこまで進んできた物語は一転外の世界と関わるようになる。うんうん言いながら読んできたのが、おうおう、そっちへ行くかと切り替える。最後に「そうきたか」と感心して読み終わった。書いたらネタバレになるからここまで。

わたしは感想を話すとき、これは「純愛だ」と叫んで笑いをとったが、会の終わりに「どこが純愛や」と反論あり。この本のテーマが「純愛」なんですけど。
中心の話題は、アメリカの50年代のこと、人種差別のことなどかなり深いところまで語られてました。