今年初めて見る映画(DVDだが)はフランスの女性監督アニエス・ジャウィの「みんな誰かの愛しい人」(2004)にした。70年代までのフランス映画を語らせたらちょっとしたものと自負しているけど、最近はさっぱり見ていないので語るなんてとんでもない。
お借りしているDVDから1枚出して、タイトル見てもわからない。おもむろに検索して、これおもしろそうじゃんと見始めたら大当たりでよかった、よかった。
父親(ジャン=ピエール・バクリ)が有名な作家で、美人の若い奥さんと小さな女の子がいる。前妻の娘ロリータ(マルリー・ベリ)は肉付きがよすぎてコンプレックスいっぱい。若い男の子が側に寄ってきたら父への頼みごとがあるのだと経験からわかっている。いまの彼氏もそうだ。
ロリータは声楽を習っていて父に自分の歌をカセットテープに入れて聞いてもらおうと思うが、父はほったらかしたまま。声楽の先生(アニエス・ジャウィ)はロリータを持て余し気味だが、父親が作家だと知ると目をかける。そして彼女のつれあいの売れない作家を紹介する。
たまたまロリータの足元に酔っ払って倒れた青年セバスチャン(カイン・ボーヒーザ)に自分のコートをかけてやったのがきっかけで、二人はつきあうようになる。セバスチャンはロリータを好きになるが、ロリータの話題は父親のことばかり。
セバスチャンは友人といっしょに仕事をはじめるつもりだったが、父親が知り合いを紹介することになり、それを知ったロリータは「またか」と思う。セバスチャンは去っていく。しかし、セバスチャンが紹介を断ったことを父から聞いて暗闇の中を自転車で走る、走る。
たどり着くとセバスチャンはベンチに座っていた。セバスチャンのひとこと「疲れる子だよ」は実感がこもってた。
アニエス・ジャウィとジャン=ピエール・バクリ、素晴らしいカップルがいるのを今日知った。二人がアラン・レネ監督と組んだ作品「スモーキング / ノースモーキング」(1993)「恋するシャンソン 」(1997)を見たい。