ドロシー・L・セイヤーズで和む夜

先日、突然『小公女』が読みたくなって昔から持っていた岩波少年文庫の『小公女』を買い直そうと思ったままだったのを思い出した。夜中に暖炉で薪が燃える音で目を覚ましたら、ほんものの薪が燃えておりテーブルには食べ物がいっぱい並べてあった、というところを読んで幸福感にひたりたかったのだが・・・しゃあないなあ、もしやと「青空文庫」の目次を見たら菊池寛訳のがあった。古い訳だけどもともとの話が古いんだからいいんじゃないの、というわけで青空文庫の菊池寛訳『小公女』をiMacの画面で読んだ。楽しんだ〜

ドロシー・L・セイヤーズを読みたくなったのもそういう感傷にひたりたいからかも。こちらは創元推理文庫をみんな持っていて、パソコン机の横の棚に収まっている。なににしようかなと迷ったが、いちばん好きな『学寮祭の夜』は読みすぎているから今日は休み。
父が昔持っていた『死体をどうぞ』にした。古いタイトルをもう覚えていないが置いておく場所がないのでしゃあない。

出だしはハリエットがのんびりピクニックしているところ、海岸を歩いていていい場所を探しのんびり座って弁当を食べ寝入ってしまう。
目が覚めて離れたところの岩に横たわる人間を見つけたが、生きていないと気がつく。潮が満ちてきて流されてしまうのは時間の問題とそばに行き、持てるものはリュックに入れ、死体の写真を撮る。

地元の警察に行くまでが一苦労。警察に行って話が通じると知り合いの新聞記者に電話して特ダネをあげる。警察とピーター卿と協力することになり、ハリエットはこの辺で最高のホテルに泊まる段取り。『毒』のときは恋人殺しの疑いで逮捕されたハリエットだが、ピーター卿の努力で疑いが晴れミステリ作家として売り出している。
ピーターとハリエット、二人のやりとりがおもしろい。今夜の友。さあ、あとを読もう。
(浅羽莢子訳 創元推理文庫 820円+税)