暖かくなったから生節の出番

こどもの頃は貧しかったから晩ご飯のおかずの中心はたいてい安い魚、さば、いわし、いか、あじ、さんまだった。初夏になると生節と焼き豆腐の炊いたのがよく出てきた。豆腐に魚の出汁の味がしみてうまいのだ。その残りにえんどう豆を入れたりして翌日のお弁当に入っていることが多かった。兄たちは残したり箸でぐじゃぐじゃにかき回したりしていたが、わたしはきれいに食べた。おいしくはなかったが不味くはなかった。
生節は普通の魚屋でなく乾物屋で売っていた。商品の上にお金の入ったざるがぶら下がっていて、店の人は手を突っ込んでお釣りを出すのだった。

今夜は生節と焼き豆腐と絹さやを炊いたんと、とりきもと菜っ葉の炒めたのとビールと日本酒、白いご飯と豆腐とネギの味噌汁、かぼちゃの煮付け、海苔、番茶。
生節は昨日の夜スーパーで深夜割引価格で買ってきたもの。プリンタインキが切れそうなのでいっしょに買ってきてもらった。