東京の思い出 その5 七五三
東京の思い出ってあまりにも少ない。4歳という年齢のせいだろうか。今日ふと思い出したのは七五三。なぜかこの日はわたしもよそ行きの服に着替えさせられ明治神宮へ行った。昔はこういうときって必ず写真屋さんで写真を撮る。母の実家に疎開したときに東京から送った写真がたくさんあった。伯母(母の姉)一家の写真もあったからみんな実家へ写真を送るものだと知った。
わたしの七五三のドレスはちょっと地味なチャコールグレイに1センチおきくらいに赤と白の刺繍で縦に波模様の線が入っていた。胸で横に切り替えが入りウエストはすとんとして裾は広がっていた。この服を着せてもらってからは、よそいきはこの服と決まっていて、新しい服がほしかった。でもうちが貧乏というのはこども心にわかっていたから黙って同じ服を着てがまん。いまは自分で貧乏してがまん。
参拝がすむと千歳飴を買ってもらって袋をさげて写真館へ行き写真を撮った。電車に乗ったのかも覚えていない。検索したら代々木にあるようだが、代々木ってどっちのほうかも知らない。千歳飴の袋の絵は好きで、のちに見た写真にはぶら下げてうれしそうに写っていた。こどもが順番にいるので、今日の千歳飴はだれのかがわからない家であった。一袋がみんなのぶん(笑)。
いま気がついたがこの日の七五三はもう少しで大阪へ行くから東京見物しておこうということだったのかも。