ベルトラン・ボネロ監督・音楽『サンローラン』

いい映画だった。すっごく気に入った。ベルトラン・ボネロ監督『サンローラン』(2014年,フランス・ベルギー合作、第67回カンヌ国際映画祭で上映され、セザール賞・最優秀衣装デザイン賞を獲得)紹介記事に「イヴ・サンローランの人生で最も輝き、最も墜落した10年間を描く」とあったので超期待して見はじめた。どんな役かヘルムート・バーガーが出るのも期待でわくわく。
1960年代後半、イヴ・サンローラン(ギャスパー・ウリエル)は共同経営者のピエール・ベルジェが増やしていく仕事に追われていた。映画・舞台衣装、コレクション、プレタポルテ、オートクチュールと絶え間なく追いかけてくるなか、モデルのベティとクラブに繰り出して遊ぶ。
美しい男ジャックと出会ったイヴはどんどん引き込まれていく。ジャックとともに酒と薬とに溺れ命を落としそうになる。
豪華な邸宅で贅沢な暮らしをしているが、心は虚ろ。そんなイヴを支えるスタッフがカバーしてショーの準備が出来上がっていくところがすごい。

最後のほうでヘルムート・バーガー扮する年老いたイヴが出てきた。豪華な部屋の椅子に座ってタバコをくわえ、オペラが好きだといいマリア・カラスのレコードをかけるようにいう。カラスの「蝶々夫人」の ある晴れた日に が美しく響く部屋でイヴは眠りについた。