わたしの戦争体験記 9、英霊が還ってくる

西六国民学校の生徒たちは、戦争で亡くなった西区出身の方の遺骨が還ってくると全員で出迎えにいった。学校から川ぞいに四ツ橋まで歩いて、四ツ橋筋の東西の歩道に並んで車道をいく英霊を出迎えた。たしか「海ゆかば」を歌ったような記憶があるが「君が代」だったかもしれない。四ツ橋筋で立っていると街路樹のアオギリの葉が風で揺らいだ。アオギリはアメリカ軍の空襲で焼けてしまったのも生き残ったのもあったが、いまは他の木が植えられているようだ。
いまも軍歌を聞くと、英霊の写真を掲げて道路中央を歩く兵隊さんや家族の方の姿が思い出される。たしか英霊を迎えるための数珠を母親に用意してもらった記憶がある。

「今日はこれで解散」と先生がいうとみんなそれぞれ帰宅した。学校からけっこう距離があるので、学校の西側に家がある子は大変だった。わたしの家はちょうど真ん中へんだったな。いまスーパーライフがある。
なんとなく遊びにいくのをやめてまっすぐに家に帰ったっけ。