P・D・ジェイムズ『女の顔を覆え』

P・D・ジェイムズのアダム・ダルグリッシュ警視長ものが大好きだ。なのに読み残しがずいぶんある。最初に読んだのが2010年に友だちが貸してくれた「秘密」だった。それから図書館で見つけると読んできたが、先日調べたら初期の本で6冊も読み残しがあった。アマゾンで最初の2作を買い、次の2作を注文中。それが着いたら最後になる2冊を買うつもり。そしたら全部読了である。アマゾン中古本様々だ。

途中からダルグリッシュ警視長になるが、本書「女の顔を覆え」(1962)では警部で登場する。すでによくできる警察官と認められているようで、落ち着いて事件に向き合う。

ロンドンにほど近い田舎のカントリーハウスで暮らす一家は経済的に行き詰まって、いままでの生活を維持するのに苦労している。
寝たきりの当主を夫人のエリノアが看病している。息子のロンドンで医学の勉強をしているスティーヴン、結婚したが夫に死なれて家にもどっている妹のデボラの4人家族に、看護婦と料理人とメイドのサリー。
サリーは未婚の母で子ども連れで働いている。施設からの紹介で最初はおとなしかったが、最近は本性が出てきて、デボラや雇い人たちとも波風が立っている。

毎年行う園遊会が今年も催され、近隣の人たちがたくさん集まって盛況だ。そこへサリーがデボラと同じドレスを着て現れ、会場に波紋が起きる。
終わり近くにスティーヴンがメイドのサリーと婚約したと発表した。

その翌朝サリーがベッドで殺されているのが発見される。
ダルグリッシュ警部が担当者として出向き、家族に質問をはじめる。
(山室まりや訳 ハヤカワ文庫 640円+税)