近場ぶらぶら

もうすぐお彼岸だ。ここ数年ずっとお彼岸に彼岸花を見るのが楽しみ。うちの近所の、つるかめさんに行く途中に毎年彼岸花が咲く場所がある。歩道から1メートルほど車道に突き出た当初は街路樹が植えてあったところ。いつのまにか木が枯れて片付けられ、代わりの木は植えられず、雑草園になっていた。数年前にそこに1本彼岸花がすらりと伸びて咲いた。それから毎年花の数が増えている。ふだんは見向きもしないところだが、秋のお彼岸近くなるとがぜん気になる。先週つるかめさんに「来週は咲くで」といった。今日つるかめさんに行くのに相方とそこを通ったら1本咲いて蕾をつけた茎が10本以上伸びていた。

近くの食堂で働いている女性が「お花きれいですね」と声をかけてきた。「毎年楽しみにしてますねん」「だれか世話をしているのかしら」「勝手に生えて咲いているんですよ」とやりとり。
帰りにまた寄ってみたら、彼岸花以外の雑草が抜いて横においてあった。さっきの女性がやったのかな。来週通るのが楽しみ〜。

つるかめさんが済んでから迎えに来た相方がお茶しようと1丁目方面へ。オリックス劇場前の公園横のライオンキッチンで野菜を買った。ここは「道の駅」みたいにブリキ缶にお金を入れて野菜を勝手に持っていく。公園横の道は東西に風が通っておそろしいほど。帽子が飛ばされないようにおさえていた。

お茶は最近お気に入りの上島珈琲店へ行くことに。1本南の道へ出る前に相方が「ここや」というので見たら雑貨店のドアに人形劇団クラルテの『女殺油地獄』(おんなころし あぶらのじごく)のポスターが貼ってあった。この前見てすごいというてたやつがこれや。
すさまじい河内屋与兵衛の上半身の絵姿にくらくら。お店の人が出てきはって、近松門左衛門、文楽、歌舞伎、クラルテの話を熱を込めてしてくれた。「クラルテ」懐かしいなあ、いまもやってはるんや。

『女殺油地獄』の絵と説明してくださった老婦人とに丁寧にお別れして上島珈琲店へ。コーヒーとケーキを頼んで大きなソファに席を取った。
ここは外にいるとジャズが大きな音で聞こえるんやけど、中に入ると音無しなのがよい。
トイレがビルのトイレを使うようになっていて、知らずに直接トイレに行くとドアが開かない。カウンターで一声かけると遠隔操作で開けてくれる仕掛けになっている。わたしは知らずにそろっとトイレに行ったところ閉まっていて混乱した。すぐ後に来た女性が戻って聞いたら開けてくれてやれやれ。

とてもおもろい週の半ばの寄り道だった。
帰りは半袖では寒いくらいだった。
彼岸花は咲いてるし、秋やなあ。