近頃はネットと本に興味がいって映画を見ようという積極的な気持が起きてこない。昨夜はジョン・ヒューストン監督の『キー・ラーゴ』(1948)を見たのだが、それも村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んでいた夫が登場人物の言葉から、『キー・ラーゴ』がいいらしい、どんな映画か見たいといいだしたので見ることになった。
この時代の映画は深夜映画でよく見た。いちばん気に入ったのは『飾窓の女』で、それこそ深夜にじっとひとりテレビの前で頑張っていたものだ。
なんの縁か『飾窓の女』は、エドワード・G・ロビンソンが学者の役で主演だった。
『キー・ラーゴ』では典型的な悪役を気持ちよく(?)演じている。
映画がはじまりハンフリー・ボガードとローレン・バコールの間にエドワード・G・ロビンソンの名前が入って物語がはじまった。
二人の新スターの間に老練な大スター、その相手にはクレア・トレヴァーが色気を残したちょっと歳のいった役で出ている。彼女はこの映画で助演女優賞を得た。ジョン・ウェインとの『駅馬車』は二人とも最高だった。
老練なふたりの俳優に対して新鮮なふたりの俳優は演技が根本的に違っていて、ちょっとした表情にも新しさがあって見とれた。