堀江、新町 いまむかし(わたしの戦争体験記 84)

「ちょっと野菜を買いに行ってくるわ」と相方が午後出かけて行った。知り合いの堀江のレストランがコロナ騒動で休んでいて、代わりに野菜や食品を売っている。「売り上げに協力せんとなあ」とズッキーニとか買って帰った。明日はうまいパスタが食べられる。

我が家は新町にあったが堀江は4年生で疎開するまでわたしの遊び場だった。壽(ひさ)ちゃんという友達の家は芸者屋だった。そのおうちで人形ごっこなんかしてよく遊んだ。わたしは疎開してしまったが、ひさちゃんはあれからどうしたろう。

のちのち75年後、市立図書館の庭にある「木村蒹葭堂」の碑を知り、図書館で催された蒹葭堂展を見て、蒹葭堂作品のカタログを買い、図書館で借りて中村真一郎の大きな本『木村蒹葭堂のサロン』を読んだ。
江戸時代、木村蒹葭堂を訪ねてきたひとは、蒹葭堂が留守だと新町の遊郭へ遊びに行ってその夜を過ごしたそうだ。蒹葭堂はすごい数の友人がいて、ものすごい博学の人である。いま生きていたらTwitterやFacebookで大活躍だろうな。