ジム・シェリダン監督「ボクサー」

なんとここにはアイルランドを代表する映画監督ジム・シェリダンの映画が8本ある。そしてわたしはジム・シェリダンの映画は「ボクサー」1本しか見ていなかった。見るべきだった「マイ・レフトフット」「 父の祈りを」を重そうだなと敬遠してから20年近く経っている。

今日見たのは「ボクサー」。
1997年製作というと17年前か、ダニエル・デイ=ルイスが美しくて若くてたくましい。エミリー・ワトソンも若々しさのなかに苦悩を秘めて役にぴったり。

北アイルランドの刑務所内の庭でダニーがひとりでボクシングの練習をしているシーンからはじまる。ダニーはIRAのテロリストとして捕まり14年間拘束されていた。IRA幹部の娘マギーとは恋人どうしだったが、マギーはダニーの親友と結婚して息子がいる。いま夫は獄中である。
ダニーはボクシングの先生だったアイクを探してまたボクシングをはじめる。
マギーの父は指導者として穏健な路線でいこうとするが、過激派の中心にいるハリーは先鋭な動きをしようと勝手に動く。ハリーのせいでダニーは捕まったのだ。
ダニーとマギーは人がいない海岸やイギリス占領地域でひそかに会う。
ダニーはボクサーとして生きようとし鍛錬するし、子どもたちにも教える。ダニーの反対にもかかわらずアイクがジムに警察の金を受け入れる。
大掛かりなボクシング試合が企画され、開始前に「ダニーボーイ」の大合唱があって会場は盛り上がる。
試合が終わったとき警察幹部がハリーたちが仕組んだ爆破テロの犠牲になる。そして騒ぎの中でマギーの息子によってジムが放火される。