ジェームズ・アイヴォリー監督・脚本『ル・ディヴォース パリに恋して』

これでアイヴォリー監督の最近の映画4本を見たことになる。「シャンヌのパリ、そしてアメリカ」(1998)、「金色の嘘」(2000)、※これから感想を書く「ル・ディヴォース パリに恋して」 (2003 原作ダイアン・ジョンソン)、「上海の伯爵夫人」(2005)。
それぞれ当ブログに感想を書いている。最新作(2009)の「最終目的地」の解説を読んだらすごく良さそうで見たい。

タイトルがおしゃれ。文字がきれいに現れて流れ、そして華やかな色彩と小粋な音楽。
パリに住む詩人の姉ロクサーヌ(ナオミ・ワッツ)にアメリカから会いにきたイザベル(ケイト・ハドソン)だが、家に着いたとたんに姉の夫が家を出るところで、イザベルが乗ってきたタクシーで行ってしまう。ロクサーヌには小さいな女の子がいて、いま第二子を妊娠中だ。
イザベルは当分パリにいることにして、姉の紹介で作家オリヴィア(グレン・クローズ)の助手の仕事を得る。
ある日、イザベルがボーイフレンドとベッドでテレビを見ていると、姉の夫の叔父さんの外交官エドガルが出ていた。渋くてカッコいいエドガルに惹かれたイザベルは接近し愛人になる。贈り物を開くと真っ赤なクロコダイルのケリーバッグ。実はエドガルはいつも交際のはじめにこのバッグを贈るのだ。イザベルは髪を染めて変身しレースの下着を買いに行く。ほんまに惚れてしまったのね。
オリヴィアがバッグを見て関係を見抜く。実はオリヴィアはエドガルの昔の愛人だったから。出会いはケリーバッグで別れにはスカーフという贈りものの決まりが続いているのである。
ロクサーヌの離婚話と物語はよじれながら進む。その上にロクサーヌがアメリカからフランスへ持ってきた絵がフランスの有名な画家のものとわかる。
終わりに近くエッフェル塔での騒ぎがあってサービス満点。おのぼりさんがいっぱいだがその中でも日本人の集団が目立つのがいやーね。

レスリー・キャロン(ロクサーヌの姑)は大昔にフランスからハリウッドへ行き活躍した。「パリのアメリカ人」(1951)「あしながおじさん」(1955)が若々しくて楽しかった。今回は貫禄充分の出演。
字幕でジャン=マルク・バールと読めたので、なんで知ってるんやろとあとで調べたら、「グラン・ブルー」でジャック・マイヨールをやった彼だった。あんなに好きやったのに忘れてたらあかんやん。