SUBの西山さん、66歳のニューヨーク

今夜はSUBで西山満さんと竹田一彦さんのデュオを聴いた。お二人の名人芸を聴いているととってても和む。ギターがむせび泣くと背中がひやりとなって、ううううっ。音に聴き入ってうちに勝手に時間が経って、2ステージがあっという間だ。

終わってからの雑談で66歳の3月10日にニューヨークであった話をされた。ジャズバーなどでの出来事を話されたあと、酔っぱらってタクシーに乗ったら行く方向が違っていて、運転手がごっついやつで、こっちは酔っていたから体が思うようにならず怖かったそうだ。結局は何事もなく行き先に着いたのだが、そのときは酒をやめようと思った。結局また飲み出して、77歳になって禁酒され、決心した日から飲んでいない。そしたら体調が良くなって毎日音楽の練習をしている。いま78歳ですごく体調が良いとのこと。

SUB、大人の演奏、大人の音

今日もSUBへ行かなきゃと晩ご飯を早めて大急ぎで片付けて出発。早めに着いてドラムの弦巻さんやボーカルの女子とおしゃべりを楽しむ。先週パノラマで雑談のときに、Hさんが無性にジャズピアノが聴きたいと言うのでこれは絶対にお薦めと誘ったのだが、ちゃんと現れたのがうれしい。

今日の演奏は、[西山 満(B&cell) 歳森 彰(P) 財 盛紘(B) TARO岡本(D) ]。1ステージ目は西山さんのベース、歳森さんのピアノ、TAROさんのドラムで大人の演奏。2ステージ目は西山さんがチェロにまわり、ベースに財さんが入ってひと味違った演奏となった。

デューク・エリントンのいまはだれもやらない曲とか、タイトルを聞いてもわからんのが多かったけれど、聴いている者の体を突き動かす力がある演奏だった。ちょっと古い感じがしないでもないのに、新しい感覚で聴こえるのが不思議。TAROさんのドラムをはじめて聴いたがケレン味がなくてすっきりしている。あまり熱演の感じがしないのがいまっぽい。歳森さんの今日のピアノはノリまくろうとしている感じで、ファンとしてはうれしいかぎりで楽しんだ。Hさんも喜んでくれたしよかった。

終わってからの雑談でファッション業界にいるHさんに女子たちからの賛辞や質問、またおしゃれな財さんの母上とHさんのファッション問答も楽しかった。Hさんの今日のいでたちは、黒の上下に黒のブーツ、スカーフが白黒のチェックで膝のあたりに見えるタイツは赤っぽいピンク。その色合いがなんとも言えないとみんなでわいわい。お誘いした甲斐があった。

毛利嘉孝『ストリートの思想ー転換期としての1990年代』を読み始めた

今月7日のdommuneにEP-4の佐藤薫さんが出られたとき、話し相手で出演されていたのが本書の著者 毛利嘉孝さん(社会学者で芸大准教授)だった。もう一人の話し相手 地引雄一さんはミクシィでEP-4を検索して、わたしのページに足あとを残してくれたので、彼の日記にコメントしたら返信を書いてくださった。音楽業界で活躍されている人のようだ。

そのdommuneのときに本書が紹介された。佐藤さんも読んだとおっしゃる。そしてEP-4のことも書いてあるとのことで興味を持ち図書館にあったので借りてきた。まだ全部読んでいないのだが、読んだところはとてもおもしろい。わたしが個人的な好みで遊んでいたことが、体系化されているというか、全体を見渡す観点で書かれている。
わたしの1980年代は70年代のジャズの友人たちから離れて新しい音楽にはまっていく時代だった。80年代に入るすこし前からパンク・ニューウェーブを聞き出して新しい友人ができ賑やかに遊んだ。離れていたミステリの新しい風に出会ったときでもあった。それが90年代になるとヴィク・ファン・クラブという存在と翻訳ミステリに耽溺ということはあったが、音楽から離れていた。このあたりの音楽状況をがぜん知りたくなってきた。自分史と客観的な時代的考察とを重ね合わせる体験ができそうだ。

dommuneでEP-4 佐藤薫さん

半月ほど前に発表されたEP-4 佐藤薫さんのdommune出演日が今日だった。実は昨日は間違えて7時にパソコンの前に座っていたが他の番組がはじまり、カレンダーを見直したら今日なのであった。今日も7時に夕食をすませて正座っぽく椅子に座った。

EP-4は80年代のパンク・ニューウエーブを聴いていた時代にもっともスゴイ(いまの言葉で言うとヤバイですね)と思ったバンドだった。外来のバンドはそのバンドが生まれた街でやったらヤバイだろうが、こちらへ来るとホールでやるからもうひとつなのだった。

扇町へんの営業を終えた小さなブティックの店内を片付けてスタンディングのライブ。この一回しか聴いていないのに、80年代というとなにをおいてもEP-4を思い出す。その次は友だちが佐藤さんといっしょにわが家に来たのだ。そのときは夜を徹して語り合った。いつのまにか窓の外が明るくなっていったのを覚えている。朝食に紅茶とトーストとゆで卵を出したっけ。とにかくオトコマエで笑顔が優しかった。
それからは東京へ行かはったのだろうか。いつの間にか25年経っていた。

わたしの愛するミュージシャンは70年代は阿部薫で、80年代は佐藤薫だとさっき気がついた。素晴らしいミュージシャンと知り合った幸せを感じる。阿部薫は亡くなってしまったが、佐藤薫さんは音楽の世界に帰ってこられて、また活動をはじめられるようだ。

今日のdommuneでは、司会者たちと会話するほっそりとした佐藤さんはエフェクタから声を出されていた。横のTLに「佐藤薫といえばヴォイスエフェクターだ」というのがあったので納得。
EP-4の83年のライブ映像に佐藤さんが音を重ねられた。カッコいいぞと叫ぶ声をとどけたいが、すでにいっぱい聞こえていることでしょう。
また「25年前のぼくのレコードは、いまのDJの人たちにかけてもらうために12インチで出してたんです」とおっしゃった。
また「音楽はどっかで聞くもの」とも。相方は「だよな。おれは今夜もクラブで聞く」とツイッターに書いてお出かけ(笑)。

タムタムカフェオープニングパーティから心斎橋ベースで一服

パノラマで木曜日を担当していたアベチカさんがDJの浅井さんと日本橋に新しい店タムタムカフェを開いた。昨日と今日はオープニングパーティの日で、わたしらは今日行ったのだが、たくさんの人たちが集まり大盛況だった。
お店は奥行きがあって広い。DJブースがありカウンターがあり店内も広々している。友だちが手伝ってできるところは手づくりということで、すごく個性的な店になっている。DJブースのところではすでにユーストリームもやっていた。

わたしはパノラマへたまに行くくらいだが、相方のおかげでたくさんの若者たちに紹介してもらい、話をして楽しい時間を過ごすことができた。子ども連れ赤ちゃん連れもいて楽しい。みんなおしゃれなカッコをして絵本から抜け出てきたよう。
ずっと音楽が流れてほんまにええ感じ。DJが30分くらいで入れ変わったので、たくさんのDJのそれぞれが違っている音がおもしろい。

4時間のお楽しみのあと、さっき同席していたKさんの心斎橋のお店に寄った。ちょこっと座ったつもりが流れるジャズを聴きながらのおしゃべりで2時間経過。また歩いて帰った。

大阪観世会定期能

ずっと昔から大阪能楽会館で行われている「大阪観世会定期能」の入場券を兄からもらって行った。30年くらい前には3年くらいは毎月行っていた。お気に入りの演者は大槻文蔵さん、生一知哉さん、梅若猶義さんと覚えているくらいに、毎月一番前で見ていたものだ。よく居眠りしてたから舞台からまた寝てると思われていないかと心配だった(笑)。

自営業になって土曜日が休めなくなったり、きょうだい不和があったりしてだんだん行かなくなった。最近は細野ビルでのTTRの会の公演に3回行って、能はええなぁと改めて思った。日本の男には黒紋付と袴がよく似合う。

今日は梅田からの道を間違ってしまった。だって梅田はずいぶん変わってるもん。かなり行ってからイケメンの青年に道を聞いたら行き過ぎてると笑われた。もどって曲がったら懐かしの能楽会館があった。

すぐに仕舞「野宮」がはじまった。次が大槻文蔵の能「俊寛」だった。暑い道を歩いてきて涼しいところに座ったので心地よく眠ってしまい、目が覚めたら舟は出て行き、俊寛が嘆いているところだった。大槻さんの俊寛の最初と最後しか見ていない。出だしの明るい顔と、最後の絶望の顔と同じ面なのに全然表情が違う。

会場がだんだん寒くなってきた。見渡すと膝掛け毛布をかけている人がたくさんいる。用意がいいなと思ったら、同じチェック柄である。どうやら貸し毛布らしい。能衣装を標準に冷房温度が設定してあるのかな。仕舞が終わり狂言「鳴子遣子」になったので外に出て温まった。
最後は能「安達原」でシテの演者が変わったと貼り紙があったのだが、お名前を忘れてしまった。みちのくの安達原で阿闍梨と山伏が山道に行き暮れて泊まった山家の女主人が実は鬼で、見るなと言われた寝室に人骨がいっぱい。鬼の姿になった女にたいして数珠で対抗する。

今日は小物に惹かれた。俊寛が出てきたときに持っていた小さな提げるカゴ。「安達原」の老婆が糸を紡ぐ道具。あんなん欲しい。

SUB40周年ライブ!

SUBは今日で40周年を迎えた。残念ながらわたしはそのころは天王寺にあったジャズ喫茶に入り浸っていてSUBを知らなかった。それから37年ばかり経って(すごい年月やなぁ)、エディ・ヘンダーソンのライブのときにはじめて行って、それから出入りするようになった。何度も書いているけど、1961年の「アート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズ」のコンサートへ行った実績(?)がものをいっている。

たまたま今日は金曜日で、15年続いている西山さんと竹田さんの演奏日だ。早めに出かけたら昔なじみらしいお客さんがいていつもと雰囲気が違っていた。Tくんと若い女の子としゃべっているうちに客が増えてきた。わたしらの話題はアメリカ文学のこと、ふふ。

西山満さんのベースと竹田一彦さんのギターに弦巻潔さんのドラムが入って演奏がはじまった。何曲かあとからは滝川雅弘さんのクラリネットが入って雰囲気が変わる。クラリネットの音を聴くのは久しぶり、懐かしいような安らぐ音にうっとりした。
休憩後にはまた客が増えてぐっと雰囲気が温かくなった。ピアノが3人(歳森彰さん、蓼沼ゆきさん、松本ゆかさん)入れ替わり、ギターが竹田さんから塩本彰さんに替わり、ベースは西山さんから山本学さんと財盛弘さんに替わり、ヴォーカルは女性2人(城下麻弥さん、春田久仁子さん)と楽しい口トランペットもある男性ヴォーカル、ISAさんが順番に加わった。なんかもう音をもっともっとと食べてお腹いっぱいになってしまった感じ。

最後の西山さんと竹田さんのデュオが穏やかに心に沁みた。そしてギターの最後のひとふしが泣かせてくれた。この音を聴けたから今夜はしあわせ。
西山さん、おめでとうございます。
竹田さん、ありがとうございます。

魔女会議と深夜のラーメン、はぴまん(Happy Monday!! DJ ageishi)

最近つき合い出した若い女性の友人たちが「くみちゃん、カワイイ」と言ってくれる。それとは別な子にお話したいと言われてお世辞かと思っていたら督促されて、では本気なのかとあわてて返信した。
というわけで、今日はパノラマで魔女会議したのであった。メールをくれたMさんと手芸部のHさんと最近何度も会っているKさんも加わって賑やかなことであった。Mさんの亡き母上がサラ・パレツキーファンだったそうで、ヴィクシリーズの話もあり、日本文学のあれこれ、そしてマルグリット・デュラスの本と恋人のことなど。好き嫌いが似ているのもうれしい。やっぱり恋愛の話があったが、その人の恋物語の参考にわたしの経験を引き出そうと頑張られた(笑)。

みなさんビールを飲んでいるのに、わたしはジンジャーエール2本とコーヒー飲んでお相手。途中から相方がきて話に加わったり、DJブースと反対側に写し出されている映画を見たり。コッポラとルーカスの映画だという「ポワカッツィ」の映像がすごくよかった。
DJ ageishiさんともお話できてうれしかった。若手DJの音も良かった。

夜中を過ぎたらお腹が減ってきたのでラーメンを半分コして食べた。濃厚でまだお腹に残っているのでもう少し起きていよう。