森田童子さんが4月に亡くなったと昼頃のネットニュースで知った。
わたしは70年代中頃に森田さんのコンサートに二度行っている。仕事場の隣室が音楽事務所でときどき小さなコンサートの余り券をくれる。そのときもタダ券をもらって森田童子って名前は聞いたことあるわと厚生年金会館中ホールへ行った。その前に音楽事務所の社長がこの人の歌はちょっと変わってるから参考にとレコードをくれた。歌も良かったけど、つぶやくような語り声がよかった。何度も聞いてからコンサートに出かけたのだが、歌声だけでなく雰囲気にも魅せられた。
そのころまでわたしたちはジャズばかり聞いていて、70年代になってからは特にフリージャズに打ち込んでいた。70年代後半になるとフリージャズに疲れてきたところへ、森田童子の静かな歌声が心に沁みたのだ。
隣室の音楽事務所へ行ってよかったと何度もお礼をいったからか、もう一枚レコードをくれた。その中の一曲、桜の花びらが散るという詩がよくて、覚えて得意になって歌ったものだ。
それから半年くらいして今度は御堂会館(と記憶している)でやると知って、友だちの分まで3枚入場券を買って行った。舞台に出てくるときの内気そうなところがかっこよかった。
その夜で堪能してしまったみたいで、森田童子熱が冷めていったところへ、ジャーン! パンクロックが来た! 同じ御堂会館でエルビス・コステロは78年だったかな。すごかった。それから一直線でパンク一筋になった。8年くらいパンク・ニューウェーブに浸かってた。
でも、森田童子さんの歌は大切に心にしまってあった。今日は午後からずっと聞いているが、懐かしく麗しい声は変わらず。
ご冥福をお祈りします。