PANORAMA手芸部で息抜き

家にいるとパソコン前と読書の他になにもすることがないという不趣味者である。ちくちくと針仕事ができれば言うことはないのだが、出来上がりのカタチが見えるのに手が追いつかぬ。今日はPANORAMA手芸部の日。息抜きが必要と10時過ぎに片付けて出かけた。人のお裁縫を見てのんびりしよう。

最近は知った顔が増えて、その上にツイッターでみんなの動きが見えているので場に居やすくなった。女たちそれぞれがいきいきしている。音楽がある場でいままで味わったことのない雰囲気がある。何十年か音楽の現場から離れていた間に変わったのね。
昔のジャズ喫茶は男の世界だった。わたしはどこでも出入りしていたし、男性たちも受け入れていたけど、それは〈名誉男性〉だったからだ。いつから変わっていったのだろう。
わたしが言うとリクツっぽくなるが、女性がそのまんまの姿でいられる場所があるいまはすごく気持ちがいい。

今夜はHさんの誕生日で、突然DJサキちゃんがハッピーバースディツーユーをかけ、みんな拍手をして祝った。まわってきたアベチカさん作のケーキは秋の味で最高だった。
マッサージもしてもらった。すごい肩こりが解消されたので今夜は安眠できそう。

サラ・パレツキー『沈黙の時代に書くということ ポスト9・11を生きる作家の選択』

「ミステリマガジン」2010年3月号から8月号まで6回にわたって連載された「沈黙の時代の作家」が本になった。タイトルが変わって「沈黙の時代に書くということ ポスト9・11を生きる作家の選択」となっている。
連載中に確認するように書いたものが「サラ・パレツキー アーカイブ」の下のほうにあるので読んでください。

単行本にするにあたって、日本の読者のために新しく1章「日本版に寄せて 拷問とスピーチと沈黙」が書き加えられいるので、その紹介と感想。

「拷問とスピーチと沈黙」というハードな言葉どおりに、短いがハードな内容だ。最初に拷問されたアンソニー・ホームズの証言が紹介されている(《シカゴ・リーダー誌》掲載)。この拷問が行われたのはシカゴのサウス・サイドにある警察署だった。ホームズの他に100人を超える人々に対しても拷問が何度も繰り返された。

【わたしがこうした記事を読むときに思い浮かべるのは、拘留中の容疑者の拷問を指揮した(とされている)刑事、ジョン・バージのことではない。ホームズやダレン・キャロルや、その他の被害者のことでもない。/むしろ、ドリス・バードのことが頭から離れない。部長刑事の地位で退職したバードはこういっている——バージのチームが尋問に当ったときは、取調室からよく悲鳴が聞こえてきたし、容疑者たちからは、ビニール袋を頭にかぶせられて窒息しそうになった話を聞かされた。電話帳で殴られ、高熱のラジエーターに鎖でつながれたという。】

バード部長刑事は出世の道を閉ざされるのが怖くて拷問のことを報告しなかったと《シカゴ・リーダー誌》に語った。バージ刑事と部下はすべて白人男性だった。黒人で女性のバード刑事が報告したらどんな目にあわされるか。
ここを読むことで「ミッドナイト・ララバイ」でヴィクが受けた衝撃のことが理解できた。ヴィクの父トニーの苦しみが。そしていま、沈黙の時代に恐怖を超えて言葉を発しようとするサラ・パレツキーの勇気にうたれた。
【・・・しかし、わたしがそこに到達するまでは、V・Iにピッチャーズマウンドに立ってもらい、わたしの意見を代弁してもらうしかないだろう。】
(山本やよい訳 早川書房 1800円+税)

魔女会議と深夜のラーメン、はぴまん(Happy Monday!! DJ ageishi)

最近つき合い出した若い女性の友人たちが「くみちゃん、カワイイ」と言ってくれる。それとは別な子にお話したいと言われてお世辞かと思っていたら督促されて、では本気なのかとあわてて返信した。
というわけで、今日はパノラマで魔女会議したのであった。メールをくれたMさんと手芸部のHさんと最近何度も会っているKさんも加わって賑やかなことであった。Mさんの亡き母上がサラ・パレツキーファンだったそうで、ヴィクシリーズの話もあり、日本文学のあれこれ、そしてマルグリット・デュラスの本と恋人のことなど。好き嫌いが似ているのもうれしい。やっぱり恋愛の話があったが、その人の恋物語の参考にわたしの経験を引き出そうと頑張られた(笑)。

みなさんビールを飲んでいるのに、わたしはジンジャーエール2本とコーヒー飲んでお相手。途中から相方がきて話に加わったり、DJブースと反対側に写し出されている映画を見たり。コッポラとルーカスの映画だという「ポワカッツィ」の映像がすごくよかった。
DJ ageishiさんともお話できてうれしかった。若手DJの音も良かった。

夜中を過ぎたらお腹が減ってきたのでラーメンを半分コして食べた。濃厚でまだお腹に残っているのでもう少し起きていよう。

新町遊郭を描いたマンガ、もりもと崇「難波鉦異本」(なにわどらいほん)

“難波鉦異本 上 (BEAM COMIX)東京から遊びにきたOちゃんが買ったばかりの本、もりもと崇「難波鉦異本」(なにわどらいほん)上・中を読み終わって持ってきてくれた。難波のそれも新町が舞台になっているからね。まだ下巻は出ていないそうだ。
マンガを最後に読んだのはいつかも忘れてるくらい久しぶりだ。読み出したら昔みたいに夢中になってしまった。

新町遊郭の遊女たちの格付けは、〈太夫〉が〈松〉で相撲でいえば三役、〈天神〉が〈梅〉で幕内クラス、〈鹿子囲〉が〈桐〉で十両クラス、以下になるとショートタイムでも客をとらせられる。
夕霧太夫亡きあとの新町遊郭。主人公の和泉は〈天神〉で、新町一の三絃の名手であり、実力からいえば〈太夫〉のところを、客あしらいが下品なので、〈天神〉で止まっている。禿(かむろ)のささらを従えての、すさまじくもしたたかな日常が描かれている。
ストーリーがおもしろくて、絵が良くて、構成がしっかりしていて、エロくて、いやなところが少しもない。

本書にある新町郭東口大門があった新町橋と横堀川の跡あたりをよく歩いている。埋め立てられて長堀通りになってしまった西長堀川の橋の名残りや、大阪大空襲で消失したわが家があった場所は日常的に見ているので、古地図を見ているように懐かしい。

中巻にこんなところがあった。
大坂落城で真田隊全滅のあと、ひとりの武士が行くあてもなく死のうとしているとき、やはり身一つで逃れてきた姫君を犯すが、その後にその女性が姫と知る。
姫は言う。「見よ、この骸の山を・・・大坂は負けたのじゃ・・・・勝者ではない、敗者こそ無念の骸の上に何かを成して報いるべきぞ・・・」
姫君は遊女となり、武士は商人となる。その後の話も哀切である。
早く下巻が読みたい。
(エンターブレイン 上下とも620円+税)