ニール・ブロムカンプ監督『第9地区』

イギリス映画それもお屋敷ものの映画ばかり見ていたような気がする。好きなんだけど、少々飽きてきたかなという感じ。さっき相方が借りてきたのはSFでエイリアンものだという。映画情報を全然気にしてないので「第9地区」というタイトルも知らなかった。アメリカ、南アフリカ、ニュージーランド製作の2009年(日本公開2010年)の映画。見る前にタイトルで興奮していた。

1982年、南アフリカ共和国ヨハネスブルグの上空に突然宇宙船が出現した。上空で静止したままの巨大な宇宙船を調査するための船内に調査隊が入るが、見つかったのは死亡した支配者たちの姿と大量の難民エイリアンたちだった。彼らを地上へ降ろして隔離した場所が「第9地区」と呼ばれる。超国家機関MNUの管理下にあるが、人間たちが〈エビ〉と呼ぶ彼らと小競り合いが絶えず、宇宙船出現後28年経ったいま離れた土地に「第10地区」を作りエビたちを移住させることにする。
ヴィカスはMNUの職員で会社幹部の娘と結婚している。責任者に任命され、移住計画を実現するための立ち退きに同意させるために「第9地区」を訪れる。小屋をまわっているうちにクリストファーの家に入り、隠し部屋で見つけた謎の液体を不注意で浴びてしまうが、その液体を入れた容器を持ち出す。
それから体調がおかしくなり、だんだんと片腕がエビ化していく。MNUはもどってきた彼を人体実験室の手術台にのせる。からだを解剖されるところを必死で逃れたヴィカスは、第9地区へ逃げる。そしてクリストファーにあの液があれば人間にもどれると聞いていっしょに取り戻しにいく。
ヴィカスと軍隊やギャングの乱闘が繰り広げられる。

ヴィカスは死んだのか、生きているのか。ある日、妻は玄関で一輪のゴミで作った花を見つける。エイリアンになったヴィカスが届けたものだ。クリストファーは3年待てと言ったがヴィカスは人間にもどれるだろうか。

上を向いたら宇宙船が天空に浮いている街ヨハネスブルグの景色がすごい。すごい風景にびびりつつ、映画の世界に入り込んでいった。
一カ所に押し込められているエイリアンたちの姿は、南アフリカのスラム街で暮らす人たちの姿とダブって見えた。
昔見た「エイリアン」に次いで衝撃的な映画だった。