ネレ・ノイハウス『白雪姫には死んでもらう』(2)

ティースとラースはテアリンデン工業の社長クラウディウスの息子で双子だったが、父は兄のティースが自閉症なのでラースを自分の跡継ぎにしようとした。ラースはおとなしくて宗教に気持ちが向いていたが、強引な父親に逆らえなかった。11年前の二人の少女殺しのグループ犯行にはラースも加わっていたのだが、父親が彼を迅速にイギリスの友人宅へ逃亡させた。その後、投資銀行で働き豪邸に住むラースは、いまユーロの損失を出した責任があり疲れ切っていた。母の取りなしを邪険に断った彼は駐車場で高級車の中で自殺する。
11年前の事件のあと、クラウディウスはトビアスが逮捕されてから村の共同体を壊さないよう頑張ったというが、実はトビアスの両親から土地を奪い商売を奪っていた。

村の共同体を守るためにトビアスは犠牲にされたとオリヴァーとピアにはわかった。行方不明のトビアス、ティース、アメリーを探さなければならない。その上にこの事件に関わったものの様々な死と傷害の捜査にも向かい合う。

物語の底に流れているのは「白雪姫には死んでもらう、彼女はいった・・・でも、だれもひどいことはできない。ぼくが見守っているから」というティースの真実。
(酒寄進一訳 創元推理文庫 1300円+税)

久しぶりに絵本を出した。お気に入りの「白雪姫」で、いままでいろんな白雪姫の絵本を持っていたが最高に好きな1冊。
(ジョセフィン・プール文 アンジェラ・バレット絵 島 式子訳 ブックローン出版 1500円+税)