「マイティ・ハート/愛と絆」(2006)というタイトルでは内容がわからず、マイケル・ウィンターボトム監督だからと見はじめたら、なんと9.11の翌日にパキスタンに着いた特派記者夫妻を描いた作品だった。製作がブラッド・ピットで彼のパートナーであるアンジェリーナ・ジョリーが妻を演じている。原作はマリアンヌ・パールの「マイティ・ハート 新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死」。
ダニエル(ダン・ファターマン)とマリアンヌ(アンジェリーナ・ジョリー)はふたりともジャーナリストでマリアンヌは妊娠5カ月である。
ダニエルはウォール・ストリート・ジャーナルの特派員でアルカイダに関係のある人物と接触しようとしている。この取材がすんだらふたりで帰国するはずだったが、ダニエルはもどらず電話もつながらない。夫妻の友人アスラはイスラム系のインド人女性ジャーナリストで、マリアンヌを助けていつも側にいる。
マリアンヌはアメリカ領事館の担当者、パキスタンのテロ対策組織の責任者、新聞社の上司に連絡すると彼らは続々とマリアンヌの家に集まる。FBI捜査官も加わった。
ダニエルをスパイとする現地の新聞記事が出たあとに拘束された姿のダニエルの写真がメールで送られてきた。
ダニエルの足取りを追っていくとパキスタンのテロ組織が浮かんできた。ダニエルはこの組織に誘拐されて処刑され、ナイフでの処刑シーンのビデオが送られてきた。
ところどころに、ふたりが知り合ったころや結婚式のシーンが入り、ダニエルがユダヤ人としてのアイデンティティを主張するところも入る。
凛としたマリアンヌは夫が処刑されたと知って慟哭するが、テレビのインタビューでは冷静に応対する。処刑ビデオを見たかとインタビュアーに聞かれて、あなたは人間か(こう言ったように記憶)と聞き返すところが圧巻。