マイケル・ウィンターボトム監督『CODE46』

マイケル・ウィンターボトム監督の映画を何本か見て多彩さに驚いている。今日見た「CODE46」(2003)は近未来SFだというので期待して見はじめた。最近とみに〈近未来SF〉はすぐに来る未来のように思えて気持ちがざわつく。とはいえ、超高層ビルが林立する都会の風景や荒れ果てた工場地帯や砂漠化した土地の画面がすごく好き。この映画は上海とドバイで撮影された。

「CODE46」というのは、近未来になると人工授精が当たり前になるだろうという前提で、同じDNA保持者どうしの接近を阻むための規則。妊娠の可能性のある男女は必ずテストを受け二人のDNAが出産に何の問題もないことを証明しなければならない。もし二人がテストをしないまま性交し妊娠した場合は〈CODE46〉が適用され処分される。

調査員ウィリアムス(ティム・ロビンス)はシアトルから上海の工場へ調査にやってきた。飛行場から迎えの車に乗って工場へ入るときは「パペル」というチケットを使う。偶然出会ったマリア(サマンサ・モートン)は「パペル」を製造する工場で働いていて、チケットを正規に手に入れられない人に横流しした。
ウィリアムとマリアは上海の街で食事をしクラブで遊んでマリアの部屋で愛し合う。
バンクーバーの家に帰ったウィリアムは妻と男の子がいる楽しい家庭にもどったが、マリアが横流しした「パペル」を持った人のことで再度調査に行くように命じられる。
再会したマリアとウィリアムは街の外へ出て泊まる。翌朝、持っているものをみんな出して車を手に入れるがスピードを出し過ぎて事故を起こす。
ウィリアムは助けられ記憶を消されて帰国すると妻と子が待っている。なにごとも起こらなかったように文化生活へ。
マリアは記憶を残されたまま「外の世界」に追放され、愛の思い出を胸に砂漠をさまよい続ける。

ティム・ロビンスを久しぶりに見たが大きくて立派な体格なのに童顔なところが好き。サマンサ・モートンを抱きしめるシーンではこどもとおとなくらいの高低差があるのに似合っていた。