スティーヴン・フリアーズ監督『プリック・アップ』

Tさんに映画のDVDをたくさん貸していただいたのだが、どんなのが見たいのかと聞かれても、だいたいが最近の映画のタイトルも知らないのであった。今日見たのはスティーヴン・フリアーズ監督の「プリック・アップ」(1987)で全然知らなかった。監督名で検索したらずっと昔に「マイ・ビューティフル・ランドレット」(1985)と「グリフターズ/詐欺師たち」(1990)を見ていて、両方ともすごくよかったのを覚えている。

ロンドンを舞台にゲイのカップル・・・と紹介文を読んだだけで胸が躍った(笑)。1960年代のイギリスでゲイが犯罪であったころに実際に起こった話である。
ジョー・オートン(ゲーリー・オールドマン)とケネス・ハリウェル(アルフレッド・モリーナ)は恋人同士で、ケネスの両親の遺産が入ったのでフラットを借りいっしょに暮らしはじめる。ケネスは作家志望で出版社に原稿を持ち込むのだが受け入れられずにいた。彼は8歳年下の荒削りのジョーに文学を教える。
ふたりが図書館の本を何冊も切り抜いたのがホモ嫌いの図書館員にばれ逮捕される。裁判で6カ月の禁錮刑判決を受けて独房にいるときにジョーは戯曲を書き出す。
ジョーの書いた芝居は賞をもらい有名になっていくにつれ、ケネスは私設秘書のようなかたちになって気持ちが屈折していく。ジョーに有名なエイジェント(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)がつき、ビートルズからの依頼もくる。
休暇でタンジールへ行ったものの、仕事をはじめたジョーを責めてケネスはタイプライターを放り出す。
ジョーは母の葬儀のあとでも他人と関係をもつし、ロンドンの公衆便所でも相手を見つける。
眠れないケネスはついにジョーを殺し自分も睡眠薬を飲み横たわる。

粉川哲夫のサイト『シネマ・ポリティカ』119「プリック・アップ」が勉強になった。