リドリー・スコット監督『ロビン・フッド』

リドリー・スコット監督とラッセル・クロウのファンなのに映画館に行かず、DVDになっても新作のときは敬遠、ようやく普通の棚に置かれて、しかも格安の日に借りた(笑)。
「ロビン・フッド」の物語は子どものころから知っていた。物語を読んだこともあるし、紙芝居も見たような気がする。シャーウッドの森という言葉が血肉化されていて、日常的にシャーウッドのカレーペーストを使っている(笑)。
この映画を見て「ロビン・フッド」のことを実はなにも知らなかったのに気がついた。それだけでなく、イギリス好きにとってはとても勉強になる映画だ。

12世紀末のイギリス。十字軍の兵士としてフランスで戦っていたロビン(ラッセル・クロウ)はイングランドの騎士の暗殺現場に遭遇する。そして瀕死の騎士から父に黙って持ってきた剣を返しに行ってほしいと頼まれる。
知恵を働かせて同僚たちとイギリスにもどったロビンは、ノッティンガムへ行く。騎士の妻マリアン(ケイト・ブランシェット)は義父の領主(マックス・フォン・シドー)とともに10年間暮らしてきた。代官による引き締めの苦しい生活の中で村の人々の中心になっている。ロビンを気に入った領主は、このままだと跡継ぎがいないから領地を国に没収されるので息子の身代わりになってくれと提案。ロビンはそれを受ける。それからのロビンのいさぎよい行動がマリアンの気持ちを開いていく。
ロビンの父は石工で革命家だったがロビンが6歳のとき処刑されているのが、領主によって明らかにされる。目をつぶるといままで思い出せなかったことが浮かんでくる。
ロビンがイギリスにもどる船はテームズ川の河口から入りロンドンへ向かう。その風景を見たらなんかうれしくなった。
それからフランス軍がドーバー海峡から押し寄せる。イングランド連合軍は海岸線をずらりと並んで迎え撃つ。弓の名手ロビンは高台から射撃兵を配置してフランス軍めがけて矢を降らす。マリアンは義父の仇を討とうと男装して加わる。手強い相手が馬で逃げるところをロビンが矢を放つと首を貫通して倒れる。
久しぶりに領主役のマックス・フォン・シドーを見られてうれしかった。上品で威厳にあふれている。(1950年から60年にかけてイングマール・ベルイマン監督他の作品を7作見ている)
王の側近役にウィリアム・ハートがなっていて渋い。(「アルタード・ステーツ」から32年経つのか〜それからの9作を見ている)
そして見ながらさわいでいた。馬が走る、走る。