ドン・ウィンズロウ『ストリート・キッズ』読み出したらおもしろくて

先週の土曜日にジュンク堂で買いそこねて、帰ってからアマゾンに注文したドン・ウィンズロウ「ストリート・キッズ」が月曜日の朝に届いた。金曜日に「関西翻訳ミステリー読書会」に誘われて出席するのだが、その日の課題書である。1993年初版でそのあと続けて作品は翻訳されているのだが、なぜか1冊も読んでいなかった。

とにかく当日までに読んでしまおうとしているのだが、最初のほうの印象があまりよくなくて、発刊されたとき手に取って合わないと思ったに違いないと思った。ところが強制的に読んでいくと、100ページを過ぎたあたりからだんだんおもしろくなった。主人公の少年ニールは不幸な環境に育つが、最初にぶつかった大人が彼の能力を伸ばして、自分の助手として使うようになる。ニールは頭が良くて読書好き。ディケンズを読んで、自分のまわりの大人を理解する。ここまでくるとどんどん読み通せそう。

教師に読まされた「オリヴァー・トゥイスト」をニールは2日間徹夜して読んだ。感想文を読んだ教師は「大いなる遺産」、つぎに「ディヴィット・コパフィールド」を渡してくれた。感想を口ごもるニールに「きみの言いたいことはわかる」「それでいいんだよ」。ここだけでも読んでよかったわ。いま評判の「サトリ」に無関心だったが読みたくなった。