ドン・ウィンズロウ『ストリート・キッズ』

おととい「ドン・ウィンズロウ「ストリート・キッズ」読み出したらおもしろくて」を書いた。今日で読み終わったので、明日の読書会の前に感想を書いておこう。

ニール・ケアリー・シリーズ(5作)東江一紀訳 創元推理文庫
「ストリート・キッズ」(1991)「仏陀の鏡への道」(1992)「高く孤独な道を行け」(1993)「ウォータースライドをのぼれ」(1994)「砂漠で溺れるわけにはいかない」(1995)
いつ全部読めるかな。ウィキペディアには「ジャンルはソフトボイルド・タッチの探偵」とあった。そういえば最近あまり聞かないが、昔ソフトボイルドという言葉があったなぁ。わたしはハードボイルドミステリがちがちなんで、最初のほうをちらっと読んで柔らかいと判断しちまったのかも。

物語は私立探偵ニール・ケアリー23歳の大仕事なんだけど、プロローグとしてなぜニールがこういう境遇にいるにいたったかの説明がある。11歳のニールは父を知らず麻薬中毒の母と暮らして、スリやかっぱらいで暮らしている。ある日バーに座っている男の上着のポケットから財布を盗んでつかまる。つかまえた男グレアムはターキーサンドをおごってくれた。そして次のときに機転を利かせたニールを見所ありとして仕込むことにする。

見張りや尾行などの探偵仕事をしっかりと仕込んで助手として使えるようになると、グレアムは自分の雇い主を教える。ある銀行内にある調査機関「朋友会」はずっと以前から顧客の要請に応じて調査と解決を図ってきた。
キタリッジは朋友会の頂点におり、ニールが仕事のできる青年であることを認め、ニールをトリニティ校へ通うようにする。カレッジで英文学を学びだしたニールは厳しい教師にディケンズを読むように勧められる。

いまやコロンビア大学院生になったニールは、大学の試験の前の日に新しい仕事を依頼される、上院議員の失踪した娘アリーの捜査である。大学は休学の手続きをしておくとキタリッジは約束する。
ロンドンでのじっと待つのも仕事の日々、やがて麻薬漬けのアリーを見つける。
ロンドンのパンククラブ、そしてヨークシャーへ。
(東江一紀訳 創元推理文庫 800円+税)