サラ・パレツキー『カウンター・ポイント』(3)

ヴィクは最初からではなかったが早くからAppleのパソコンを使っていた。わたしのMac歴は1987年から始まっているが、ほんとに実用に使い始めたのはヴィクと変わらないと思う。サラ・パレツキーさんが来日されたときは出たばかりのiPadを持参されていて、奈良の喫茶店で写真を見せてくださった。わたしのほうは次に出たiPad2をようやく買った。

前作『セプテンバー・ラプソディ』ではパソコンなんて次元でなく、高度な知識を身につけた天才少年が出てきた。そして先駆者エイダ・バイロンのことを書いていた。絶対この人のことを書こうと思ったんだろうとはわたしの推察である。

以前はパソコンがまだ主だったけど今回はiPhoneだ。
iPhoneがヴィクの脇役を引き受けて、通話にメールに写真に記録に大活躍するのが爽快だ。ヴィクのやることがテキパキして気持ちよい。

物語は初心に帰って、サウスシカゴが舞台になっている。
各章の見出しに野球用語が多く使ってあっておしゃれだ。
1遊撃手、2ホームベース、3スラッガー、4出塁、5カーブで三振、・・・・・56チャンスに強い打者、57ホームスチール、という具合である。
(山本やよい訳 ハヤカワ文庫 1400円+税)