お別れのお茶

先日近所に長く住んでいるAさんが引っ越すからと挨拶にこられた。仲良くしていたということでもなく、自然にお互いここに住んでいるって感じで長い月日を経過してきた。
捨てられていた猫を拾ったとき、Aさんのところでは先にいた2匹の猫がいやがるので困っていたところをうちが引き受けた。たびたび話に出るうちで19年過ごした花子である。極端な人見知りの花子だったがAさんだけは別でなついていた。
それ以外は出会ったときに挨拶するくらいだったが、地震や近所の火事のときに声をかけたりを心がけるようにした。おたがい自然にいつもここにいる人みたいな感じだった。

そんな彼女が引っ越すのだから、そりゃお茶くらいせなあかんなと誘って今日午後のお茶をした。近所のお店の手づくりケーキと紅茶を出して1時間半、彼女は喋り続けた。ここに住み、ミナミで働いていたこと、早く配偶者を亡くしたこと、大病と大怪我のこと。聞かせてもらってどっと疲れたけど、聞いてよかった。彼女も話してよかったと思っているでしょう。これでお別れだから話せたこともあったと思う。