スーザン・カンデル『E・S・ガードナーへの手紙』

横浜在住の妹とは去年の義兄の入院と死去があってから電話し合うようになった。それ以来、果物や海苔を歳暮と中元その他のときに送ってくれる。こちらから読み終わった軽いミステリ本を入れた荷物をたまに送る。
今回は反対に向こうからミステリがとどいた。スーザン・カンデル「E・S・ガードナーへの手紙」と「少女探偵の肖像」の2冊。全然知らない作家なので、タイトルと表紙のイラストからなんやコージーかなんて思ったが、1冊読んでみたらおもしろかった。これから2册目を読み始めるところ。

主人公のシシーはライターでミステリ作家の伝記を専門にしている。元ミスコンで優勝したことがあるおしゃれな女性。離婚してウエストハリウッドのバンガローに住んでおり、若くして生んだ娘アニーは結婚しているので、目下は一人暮らし。
仲の良い女友だちラエルは焼き菓子作りの名人で奇抜な菓子を焼く。いま焼いているのはストライキ決行中の港湾労働者とかをかたどったジンジャーブレッドを焼いているはずなんだって。
もうひとりのブリジットはヴィンテージファッション・ショップのオーナーで、往年のハリウッド女優風のドレスとかを扱っている。シシーは40年代の衣装をここで調達してパーティに出かける。

いまの仕事はE・S・ガードナーの伝記で、編集者にせっつかれながら資料を調べているところだ。わたしの最初のガードナー体験は家にあった「義眼殺人事件」の背表紙だった。ミステリが並んだ本棚の中でも目立っていた。それからだいぶ経ってペリー・メイスンものを読み始めた。思い込みで自分なりのペリー・メイスンとデラ・ストリートの姿があったので、テレビドラマを見たときはおどろいた。二人とも全然イメージがあわんやん。それでもけっこう見ていたけど。
風邪引いちゃって頭がまわらん。今日はここまで。
(青木純子訳 創元推理文庫 900円+税)