ヴェルナー・ヘルツォーク監督『アラビアの女王 愛と宿命の日々』

アラビアの女王ってどういうこと?とまずタイトルで疑問が浮かんだ。解説に「20世紀初頭、イラクとヨルダン両国の国境線を引いてイラク建国の立役者となり、“砂漠の女王”と呼ばれたイギリス人女性ガートルード・ベルの生涯を描いた伝記ドラマ映画。」とあったのにますます引き込まれて、これは見なくてはと片付けもそこそこにiMacの前に座った。

二コール・キッドマンは美人すぎて大好きな女優とは言いにくい。『コールド・マウンテン』での美しさときたらいいようがなく美しくて、いいけど美人すぎると引いてしまった。やっぱりアカデミー賞をとった『めぐりあう時間たち』がよかったけど、あの作品ではジュリアン・ムーアのほうがずば抜けていたと思う。

第一次大戦についてわたしが思い出すのは『チボー家の人々』の第1巻「1914年夏」である。それからヴァージニア・ウルフの作品であり、ミステリにとんで、ドロシー・L・ セイヤーズのピーター・ウィムジイ卿シリーズ」である。あの時代の話なんだと納得。
もっとすごいというか、わかった!と膝を叩いたのは『アラビアのロレンス』のロレンスが現れて二コール・キッドマン演じるガートルード・ベルと親しく会話するところ。
頭の中にぐじゃぐじゃとある小説からの情報がほどけてあの時代が浮かび上がり、二コール・キッドマンの美しくも威厳のある姿となった。実際にすごい人だったと検索を続けてわかった。